RSウイルス感染症について 2022
RSウイルス感染症とは?
主に冬季に流行するRSウイルス(respiratory syncytial virus)による急性呼吸器感染症です。
何度も感染と発病を繰り返しますが、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の乳幼児が感染するとされています。
9月頃から流行し、初春まで続くとされてきましたが、近年では夏季より流行が始まるようになってきています。
非常に感染力が強く、幼稚園や保育園などの施設内感染に注意が必要です。
主な症状
痰がからんだ咳、喘鳴(ぜんめい)、発熱、鼻水などの症状が数日続きます。
多くは軽症で済みますが、咳がひどくなる、「ゼーゼー、ヒューヒュー」という喘鳴を伴った呼吸困難が出るなどの症状が出現した場合は、細気管支炎、肺炎へと進展することがあり注意が必要です。
潜伏期間は2~8日、典型的には4~6日です。
初めて感染する乳幼児の約7割は数日のうちに軽快しますが、約3割は咳が悪化し、喘鳴、呼吸困難症状などが出現します。
早産児や生後24ヶ月以下で心臓や肺に基礎疾患がある、神経・筋疾患や免疫不全の基礎疾患を有する感染者の場合、重症化するリスクが高まります。
重篤な合併症として注意すべきものには、無呼吸発作、急性脳症等があります。
主な感染経路
①飛沫感染
くしゃみやせきによって、ウイルスを含んだしぶきが飛び散り、それが眼に入ったり、吸い込んだりして感染します。
②接触感染
ウイルスが付着したドアノブ、手すり、スイッチ、机、イス、おもちゃ、コップなどに触れた手や指で、口や鼻、眼を触ったりなめたりすることにより、間接的に感染します。
予防と対策
マスクの着用と手洗いを徹底しましょう。
手指の消毒にはアルコール手指消毒薬を使って下さい。
家庭内での感染が多いとされており、家族みんなで予防の意識を持つことが大切です。
万が一感染症にかかった時には、他人に移さない配慮も大切です。
まとめ
成人がRSウイルスに感染した場合、風邪の様な症状が多いことから、RSウイルス感染者であると気付かないことがあります。
したがって、咳等の呼吸器症状がある場合、0歳~1歳児との接触を出来る限り避けることが乳幼児の発症予防に繋がります。
また、RSウイルスに感染した乳幼児を看護する保護者や医療スタッフに感染した場合、一度に大量のウイルスに曝露される為、重症化の恐れもあります。
RSウイルスは高齢者、シニア層においても重症の下気道炎等を発症する原因となることが知られており、特に介護施設内などでの集団発生が問題となる場合があります。
エチケットを正しく守り、みんなで感染症を予防しましょう。